アートの貧困
アートというと、ふつう芸術のことを指しますが、英語のart やフランス語のars などには「技(わざ)」という意味もあります。
Oxford Living Dictionaryを見て見ましょう。
A skill at doing a specified thing, typically one acquired through practice.
(あることをする技、特に修練を経て得られる技)
実は、この意味がもともとの「アート」なのです。
〔語源辞典によると、13世紀初頭に"skill as a result of learning or practice"(学習や練習の結果として身に着く技)として、古期フランス語から英語に取り入れられたようです。〕
さらに語源をたどると、「巧みな組み合わせ」という意味の語根 ar- から発展して、「マナー」や「モード」といった含みもあります。
こうしたことから、私はアートとは「見事さ」という日本語に近いニュアンスをもつ味を持つ優れた言葉であり概念だと思っています。
モダンアートと自称する作品群のなかには、とてもじゃないけど見事とはいえないものが多い。
むしろ安直な思い付きでしかない、あるいは奇をてらっただけのものが多い。
というより、
お見事!
といえる作品にはまだであったことがありません。(笑)